今年で5回目のことばらんどショートショートコンクール。今年は800作を超える魅力的な作品の応募がありました。
多くの作品の中から今年の市長賞を受賞されたのはこちらのお二人です。
小学生の部が小林花穂さん(作品「森の芸術家」)
中学生の部が小林宗太さん(作品「飛んで火にいる」)
このお二人はご兄妹で、市長賞の兄妹受賞は初のこと。
宗太さんは、2021年の市長賞を小学5年生の時に受賞されています。
また花穂さんは、2022年の審査員賞を小学1年生、2023年の遠藤周作賞を小学2年生の時に受賞されています。
今までの受賞からもお二人の実力はわかりますが、今回お二人揃って市長賞という記念すべきタイミングでインタビューをさせていただきました。
Q.市長賞受賞おめでとうございます。受賞した今のお気持ちを教えてください。
宗太さん
今回が2回目の受賞になります。賞をいただくまではあまり実感が湧かなかったのですが、こうして評価してもらえてとてもありがたいですし、自信にもなりました。前回は小学生のときで、その頃から毎年応募しています。
花穂さん
私も今回で3回目の受賞になります。1年生のときに初めて受賞したことをよく覚えています。毎年のように続けて評価してもらえるのは、本当にうれしいです。
Q.作品を書くのには、どれくらい時間がかかりますか?
宗太さん
今回は夏休みの課題として書いた作品を応募しました。テーマを決めてから書き終えるまで、2〜3週間くらいかかっています。
花穂さん
私も結構時間がかかります。親に「字が汚い」と言われることもあって、書き直しながら進めるので、どうしても時間が必要です。
Q.テーマはどのように決めて、書き進めていくのでしょうか?
宗太さん
今回はことわざから着想を得ました。なんとなく「こういう話にしよう」と決めてから、流れを考えて書いていきます。書いては直し、また書いて直す、という作業を重ねています。
花穂さん
何かを見たり、体験したことをきっかけにテーマを決めることもあります。そこから少しずつ形にしていく感じです。
Q.今回、お二人とも作品の中に「虫」という共通点がありましたが、きっかけはありますか?
宗太さん
「飛んで火に入る夏の虫」ということわざがあって、虫って特徴的な存在ですよね。近未来やSF的な世界観にも合うと思って取り入れました。
花穂さん
何年か前にクモを見たことがきっかけです。親から「クモは巣に引っかかった虫を食べる」と聞いて、少し嫌だなと感じて(笑)。それなら木の実を食べる設定にしよう、というふうに考えました。
Q.お二人の作品は情景がとても浮かぶ印象です。表現するうえで意識していることはありますか?
宗太さん
自分だけの判断だとズレてしまうこともあるので、親や周りの人に読んでもらって、改善点を教えてもらいます。そこから調べたり、言い換えたりしながら直しています。
花穂さん
まず同じ意味の言葉をいくつか思い浮かべて、その中から一番伝わりやすいものを選ぶようにしています。
Q.普段から本はよく読みますか?
Q.(ご両親へ)ご家庭で読書について意識されていることはありますか?
お父様
特別に「読め」と言っているわけではありませんが、妻がよく本を読むので、自然と息子の方が小さい頃から本を読むようになり、それが活かされていると思います。
娘の方は、小学校で本を読んだりとか、基本は、絵やイラストがあるものが好きなことなのでそういったことから着想も得ていると思います。
Q.好きな本を教えてください。漫画でも大丈夫です。
宗太さん
小学生の頃から星新一さんの作品が好きです。今回の作品も影響を受けていると思います。
花穂さん
1つ目は『ドラえもん』のホラーシリーズなど。もう1つは『54字の物語』です。以前は兄が読んでいて、その話を聞いて読んでみたら面白くて、シリーズで読んでいます。
Q.読書以外に好きなことはありますか?
宗太さん
今は受験中なので控えていますが、筋トレが好きです。受験が終わったら本格的にやりたいです。部活ではテニスをしていました。
花穂さん
学校でイラスト係をやったことがきっかけで、絵を描くのも好きです。ポケモンのキャラクターをよく描きます。特にグレイシアが好きです。
Q.お互いの作品を読んで、どんな感想を持ちましたか?
宗太さん
絵本のような、子どもらしい柔軟な発想がいいなと思いました。
花穂さん
最後まですべてを説明しない終わり方が印象的で、そこが素敵だと思いました。
Q.審査員の先生方に作品を朗読されるのを聞いて、どう感じましたか?
宗太さん
少し恥ずかしいですが、客観的に聞くことで「ここはもっとこうできたかも」と気づく部分もありました。
花穂さん
やっぱり恥ずかしいです。できれば最初の一部分だけにしてほしいです。
Q.今後も創作を続けたいですか?どんな作品を書いてみたいですか?
宗太さん
最近ミステリー小説をよく読んでいて、伏線を回収する構成がすごいなと思っています。いつか、そういう作品を書いてみたいです。
花穂さん
次は、少しだけホラー要素を入れた作品に挑戦してみたいです。
ありがとうございました。
お二人の作品には審査員の先生方からこのような講評をいただきました。
「森の芸術家」
絵本のように美しい情景描写と、短い文章の中で丁寧に描かれた心の気づきがすばらしい。特にステンドグラスや花びらなどの表現、少ないセリフで伝わる蜘蛛の心情が印象的で、「優しさ」と「完成度の高さ」が評価された。
「飛んで火にいる」
タイトルと冒頭・結末の一文の強さ、構成力、文章技法の巧みさが際立つ作品。紙飛行機から近未来へとつながる導入や、“火”の中でも花火を選択したことが情緒的で、最後まで鮮明なイメージが残る点が評価された。
コンクール全体の総括として「どの作品にも光る個性があり、読む側の想像力を刺激するものばかりだった」とまとめられました。受賞者に限らず、応募者・読者すべての方へ、作品を読み合い、語り合い、次の創作につなげてほしいというメッセージが送られました。
ショートショートコンクール2025(受賞作はこちらのリンクから読むことが可能です。)
https://www.city.machida.tokyo.jp/bunka/bunka_geijutsu/cul/cul08Literature/shortshort/shortshort2025.html