【応募総数1000作品超】ショートショートコンクール2023表彰式

2024.03.25 投稿
2023年度ことばらんどショートショートコンクールの表彰式が、1月27日(土)に町田市民フォーラムで開催されました。

今年で3年目になるショートショートコンクール。応募者も増えて1000を超える作品が集まったそうです。

審査員は昨年同様、審査員長の田丸雅智さん、KEN THE 390さん、藤岡みなみさんの3名です。各賞を受賞されたみなさまおめでとうございます。

受賞作品は⇒こちら
楽しい作品ばかりですし、ショートショートなのであっという間に読めるので移動のお供にもおすすめです。

審査員の先生方に、今回の作品などについてお話を伺いました。

Q.今年の作品について

田丸さん
全体として数が多かったというところに広がりを感じてありがたかったです。今年も個性豊かな作品が集まったと思います。市長賞の2作品は特に印象に残っています。小学生の部の「名探偵アスパラガスと秘伝のソース」はネーミングが素晴らしかったです。先ほどお話を伺ったところ、読書はそれほどする方でもなく、シャーロックホームズも読んだことあるかな?だそうです。それでもこういった作品が書けてしまうというのがすごいですし、面白いですね。中高生の部の「ピクルス」はシュールですが、漬物という身近でスタイリッシュでもない、題材にしづらいものに挑戦しようという目の付け所が素晴らしかったです。アイデアのディテールがとてもよかったです。1つのアイデアの先にどんな景色が広がっているのかをとても想像されていることが感じられ大好きな作品です。

KEN THE 390さん
読んでいてジャンルやアイデアも幅広く、改めてショートショートってすごく面白いなと思いました。「ピクルス」を書かれた受賞者の方と話していて、「いつも書いているの?」と聞いたところ、いつもは書いておらず、初めて書いた作品で、それも夏休みの宿題で最後急いで書いた。ということを伺いました。ショートショートは懐の広さから最初の一歩として、すごくいいなと思いました。作品として文章、物語を書くのは難しいけど、原稿用紙1、2枚と言ったらハードルも下がります。これくらいの年代の子達が自分の創作物として世の中に発表できて、リアクションがもらえたり、賞がもらえたりするというのは、それでまたモチベーションが上がっていくという、最初の一歩として本当にいいなと改めて思いました。自分のやっているラップも一歩めのハードルの低さがいいことだと思っています。このショートショートをきっかけに、さまざまな(表現の)裾野が町田に広がっていったら素敵だなぁと思っています。

藤岡さん
全体的にどれも面白いので選ぶのがすごく大変でした。どれも魅力が違っているんですよね 。切ないことが魅力のものもあれば、ちょっとSFの魅力があるものもあり、子供らしさという子供にしかない視線がいいのもあって。それを比べるのはすごく難しくて、こんなに魅力が多様でいいんだというのを思い出させてくれるような作品たちでした。


Q.先生方は3年に渡り作品をお読みいただいていると思いますが、それぞれの年度ごとの特色や感想などがあればお願いします。

田丸さん
去年の「抜け殻」は純文学的な匂いもしてすごくハードボイルドな感じ。でもしっかりアイデアがあって、ショートショートとして成立していました。今年はもっとアイデアが全開で、全面にアイデアがバーン!と出ている感じの作品が多かったかもしれません。毎年違い、それが面白いのですが、1回目の時はコロナ禍の時期だったので、関わっている他の文学賞も含めてコロナに触れる作品が多く、時事性が出ていたように思います。


Q.3年継続していることのメリット・デメリットなど

田丸さん
継続することによって作品が貯まっていくので、応募にあたって過去の例が見られることになります。お子さんたちなどがどこまで読まれているかは分かりませんが、それには良い面と気をつけなくてはならない面があると思っています。後者で言うと、悪い意味で「傾向と対策」をしようとする方が出てきてしまうことです。もちろん過去作を研究することは素晴らしいのですが、自由な創作物で縛られて縮こまってしまうともったいないなと思います。一方で良い面としては、この賞の過去の受賞作は本当にバラエティ豊かなので、それこそ「抜け殻」から「カメムシ」とかまであることで懐の深さを感じてもらえると思うんです。これもいいんだ、あれもいいんだっていう例、自分の幅を広げる見本市として読んで欲しいと思います。また続けることで、まだ最終学年じゃない子であれば年に一度、挑戦の場があるということで少しスパンは長いですが習慣付けにもなると思います。以前書いたことがある人が数年あけても、また戻ってくる可能性もあります。表彰式でメッセージとして今度は教える側とか広める側にもなって欲しいということをお伝えしたのですが、継続すればするほど教える側、広める側も増えていくと思っています。

藤岡さん
すでに町田の作家が発掘されてるというか、この人去年も面白かったよねという印象の方が何名かいらっしゃいます。 クラス全員で応募してるよとか、友達と一緒に応募したよという広がりも感じているのですごくいいことだと思います。

KEN THE 390さん
僕はショートショートの魅力はいい意味でハードルが低いけれど奥深いというところだと思うので、何かしらの形で参加者になってみると広がる世界があると思うんです。今回受賞されていなくても応募してみて、その結果で多分何か思うことはきっとあると思うんです。それは自分でただ書いているだけでは得られないものだったりすると思います。なるべく多くの人が挑戦してくれてその人に何か気づきとか変化があったらすごい良いことだなと思うので、継続していくことはいいなと思います 。

田丸さん
追加で二つ。
 ひとつは継続性の話です。僕は愛媛県の松山の出身で俳句が宿題で出ていました。当時はやらされている気持ちもなくはなかったんですけど、今はとても感謝しています。僕は五音や七音がとても気持ちよく感じます。これは明らかに俳句の影響ですし、以前触れたことがあるからこそだと思います。俳句を自分で詠むことはそんなにできはしないんですけど、俳句を鑑賞することが大好きですし、俳人の方にも興味があってものすごく学ばせてもらってるんです。なので街をあげて毎年開催されているということが後で絶対効いてくるということをお伝えしたいです。
 もう一つ、めちゃくちゃ嬉しかったのが副市長さんのコメントです。個別の作品の話をたくさんされていました。市長賞の2つだけではなく4,5作のお話を、時間制限がなかったら全作品に言ってくださるんじゃないかというくらいでした。本当に嬉しかったというか、たしかにショートショートはお忙しい方でも隙間の時間で読みやすいという魅力はあるのですが、それにしても、いくら賞に関係している方といえども作品をこんなに読みこんでくださるのは決して簡単なことではありません。町田の本気を感じるというか、愛を感じました。もちろん主催の方だから持ち上げているわけではなく、こういった本気のもの、愛情のあるものが本当に定着していくし、人の心を動かしていくと思うんです。そんな方が主催してくださっているということを知れたのが、今日一番嬉しかったことのひとつでした。


今回もありがとうございました。

原稿用紙1枚程度の文字数から書けるショートショートの作品は負担なく読むことができるのも魅力です。来年度もいい作品がたくさん集まりそうで、今から楽しみですね。

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