【最終話:なんで最後に炒めるの??その理由は..⑨】

2018.06.20 投稿
たいへん長らくお待たせしました!(^^)
(あっ、誰も待ってないかぁ~? 笑)
ようやく諸々のものが落ち着き、最後までなんとか書き終えることができました♪
 
今回の最終話はいつも以上にちょっと長いので、お時間に余裕のあるときにでも最後まで
読んで頂けると嬉しいです♪
 
 
さて前回まではオリジナルのスパイス調合のカレーを開発するうえで絶対に必要なふたつ
のうちの一つ目として、『コンセプト』が決まるまでの経緯をお伝えしました♪
そして今回はその続きで、ついに最終話となります!
 
無謀ともいえる、たった一日で8軒ものカレー屋を食べ歩くというチャレンジを
経て掴んだ新メニューのコンセプトは、【すごいスパイス感】を軸とした...
 
『世の中に既にあるインド風でも欧風でもアジア風とも違う、他には無い味で、
ひと口目からガツンッとくる、もの凄いスパイス感と美味さを兼ね備えた
ニュータイプのカレーを創りたい! そして健康に良いスパイスの薬膳パワーで
お客さんを元気にしたい!!』
 
に決まったのですが、その実現にはもう一つの大切なあるモノが必要不可欠でした...。
 
それは...【スキル(知識と技術)】でした!
 
脱サラ組でそれまで系統だった形での料理の修業というものをした事の無い自分は、
オリジナルの創作カレーを造るにあたっての必要なスパイスの知識や使いこなす技術を
持っておらず、さらにそれらを教えてくれる師匠や先輩もいなかったので、すべて自分で
ゼロから独学でスキルを身に付けるしか他に道がありませんでした...。
 
正直なところ、その頃の心情は半信半疑というか、「きっと出来る!」という前向きな
気持ちと「ホントにできるかなぁ...!?」と不安がる気持ちが混在した、
複雑な心境で揺れ動いていたのですが、最終的には「創りたい!!」という強い想いに
背中を押される形で、スパイス使いとなるスキルを身に付ける為の第一歩を踏み出しました。
 
まず最初に始めたのは、スパイスに関係する様々な知識の吸収でした。世の中に存在する
といわれる約500種類に及ぶスパイスとハーブについて、それらの特性を知り、さらに人の
健康にも有効な良い薬膳としての効果・効能を学ぶために、ありとあらゆるスパイス関係
の書物を読み漁り、また並行してネットの世界にも眠っている膨大なスパイス絡みの情報
も片っぱしから調べ上げました。
 
これらはとても時間の掛かる作業でしたが、学んでるうちに今まで知らなかったスパイス
に秘められた心身へのイイコトだらけの様々な薬膳効果に驚いたのと同時に、また今でも
解明されていないスパイスの未知なる効果・効能がこれからも新たに発見される可能性が
多々あるという未来への期待感にも胸が高鳴り、知れば知るほどスパイスの魅力に
すっかり憑りつかれてしまいました♪
 
そしてある程度のスパイスに関する必要な知識を掴んだところで、次に行うべきステップは、
自分のイメージする香りや風味、食感を実際に形にするのに必要なスパイスを選定
して調合するための実験でした!
 
これはまさに何も無いところから手探りで始める途方もないような作業で、まずは自分の
なかの創りたい全体的な味のイメージを、香り・甘み・旨み・辛味・酸味・苦味・食感
などに分解した設計図を描き、それぞれの味の構成に合致しそうなスパイス候補を数種類
ほど選び、それらの配合比率を1グラム単位で変えながら数十パターンもの組み合わせで
調合し、出来た味をチェックしながらベストな黄金比率を探り当てるという、もしかした
らそこに答えが無いかもしれない実験の繰り返しでした。
 
案の定、この実験は難航し、理想とする味のイメージと現実に仕上がる味とのギャップが
大きくてNGの連続でした...(^^;)
なかにはこの世の食べ物とは思えないような激マズな失敗作も沢山産み出してしまい(涙)
先の見えないまま途方に暮れる日々がしばらく続きました...。
 
そんな失敗続きの実験を繰り返す毎日が3ヶ月ほど経ち、かなりグデグデな煮詰まり
状態に陥った頃に、半ばヤケクソ的にふと思い付いたアイデアで、これまでノーマークで
あまり期待してなかった新たなスパイスを、思い切って通常の10倍くらいの量でドーンと
追加投入してみました!完全なダメ元です!!
 
...すると、意外や意外、その香りを嗅いだ瞬間に『おやっ、これはもしかして...♪』
と、これまでの失敗作とは明らかな違いを感じ、次におそるおそる舌でひと舐めしてみ
ると... 『こ、こ、これだぁ~!!』
 
そこには今までの机上の計算ではまったく想定できなかった、斬新なテイストとの
衝撃の出会いがありました!
 
まさにひょうたんからコマ的な展開であり、この時をきっかけにそのレシピをベースに
したアレンジを重ねて、味の細部を微調整しながら改良した結果、一気に理想とする
味の骨格が固まってきたのです!
そして最終的には約30種類の厳選したスパイスを調合した自家製のカレー粉が
なんとか完成しました!
 
 
カレーの核であり、美味しさを決定付けるスパイスの調合レシピが固まったのは
大きな進展ではありましたが、まだそこはゴールでは無く、次にクリアすべき課題が
ありました!
 
それは、【強烈なスパイス感の維持】です。
それってどうゆうことか、意味がよくわかんないですよね!?(笑)
 
つまり、スパイスも生き物なので作った当初は個々のスパイスは威勢が良くて元気満々で
香りが高く、風味も立っているのですが、あいにくルウ全体を美味しくするための熟成
度とは反比例する関係にあるのです。
 
詳しくご説明すると、煮込み料理の特性で、ご家庭で作ったカレーを一晩寝かせると一段
と美味しくなるように、時間を掛けてルウを煮込んだり寝かせたりして熟成させると旨み
が増して美味しくなるのですが、残念ながら香りと風味のスパイス感は時間に反比例して
どんどん落ちていくのです。
 
熟成された旨みの濃厚な美味しいカレーが出来ても、肝心のスパイスの香りや風味が弱か
ったら元も子もないので、この課題を絶対にクリアする必要がありました!
 
がしかし、相反する性質のものを同時に解決するというのは難問であり、そんな簡単に解
決策が見つかる訳は無く、あーでもない、こーでもないと頭の中で発案と否決の繰り返
しが続き、またもや長~くて暗~いトンネルの中にずっぽりと嵌ってしまいました...(泣)
 
そんな状態が三ヶ月ほど続いたある時、少し視点を変えてみて、従来のカレーの作り方に
とらわれずに、どんな作り方が各食材の持つ美味しさを最大限に引き出せるのか?? 
という観点であらためて各食材の特性や特長を見つめなおしてみました。
 
スパイス以外でルウ作りに使う主な食材は、玉葱をはじめ生姜やニンニク、トマトなどの
野菜系と鶏肉や豚肉などのお肉系に分類されるのですが、それらの素材的な特性を踏まえ
て、どうしたら個々の食材の美味しさの特長を活かせるのかをじっくりと考え抜いた結果
あるアイデアがピーンと閃いたのです!
 
それが、【最後に炒める】という調理方法であり、これこそがスパイス・野菜・お肉の
各素材の良さや特長を最大限に美味しく仕上げるベストな作り方であると気付いたのです!!
 
どういうことかと言うと、新鮮さが美味しさの特長となるスパイスとお肉は、お客さんが
食べる直前に調理(炒めたて・焼きたて)した方がスパイスは香りと風味が際立ち、お肉
は肉汁があふれるジューシーで柔かい状態に仕上がるため、一番美味しく戴けるかたちになります。
 
但し、野菜は新鮮さよりも逆に、熟成させてルウとしての旨みを上げる必要があるため、
別個にスパイスと一緒に煮込みと寝かしを積み重ね、時間を掛けて熟成度を最大限に
高めることが必須となるのです。
 
つまり、調理の流れとして、まずはスパイスと野菜だけでルウを造り、それを最低でも
5日以上かけて煮込みと寝かしを積み重ねることで、旨みたっぷりの熟成されたルウを
完成させておきます。
 
そして、お客さんから注文を戴いてから、フライパンでスパイスを炒めて、お肉は新鮮
な生肉をその場で適量を切ってから焼きます。
そして最後に、フライパンにルウを投入してスパイス・お肉・ルウの3つを合体させて
一気に炒めて仕上げます!
 
この作り方によって、香りと風味が際立つ凄いスパイス感とお肉のジューシーさ、
熟成された野菜の旨みの全てを活かせることが可能となり、舌の肥えたお客さんにも
きっと満足して頂けそうな納得の味が出来るのです!
これがずっと追い求めていた答えでした!!
 
がしかし、この作り方は調理に時間と手間暇が掛かり過ぎるので、大量生産には不向きで
回転も悪く、とてもオペレーション効率のよくない調理方法でした。
 
特にカレーは普通は注文が入ったら直ぐにお皿にライスを盛ってルウを掛けたらもう
出来上がりという風に短時間で出せるものと世間に思われている料理なので、注文から
提供まで10分以上も要する【最後に炒める】調理法は、急いでいて時間に余裕の無い人に
は特に敬遠されてしまいがちな、回転と効率化を優先すべきカレー店にとっては極めて
不向きな作り方でした。
 
そんな大きな短所のある、カレー屋に不向きな調理法ですが、
でもこの作り方でしか絶対に自分の求めている味が出せないのは明白なので、
そこは割り切って効率や採算よりもクオリティを最優先することを選択しました!
 
その後は、この作り方をベースに細かな改良を幾つか加えながら試作を積み重ねて、
ようやくお客さんに自信をもってお出しできるレベルの完成度に仕上がり、ついにその
作り方をそのまま商品名にした『最後に炒める第3のカレー』という
お店の看板メニューとしてデビューするに至りました。
不動の看板商品を創るぞと心に誓ってから約1年ほどの月日が流れてました。
 
そしてあれから今年でデビュー4年目を迎えますが、デビューしてからも日々、気付いた
点をコツコツと色々改良しながら作り続けてきました。おそらく初期のものと今のでは
香りも味も違っていて、かなり進化していると思います。
 
でも自分としてはまだ完成したとは思っていなくて、スパイスを含む食の世界には未知な
る素材や新たな味覚の可能性が無限に広がっており、これからもさらに美味しく進化でき
る伸びしろが沢山あると感じているので、今後も研究とトライアルを重ねながら、
新たな美味しさを追い求めていきます!
 
あの5年前の「アド街ショック」を契機に、死活問題として必死の想いで創りあげた完全
オリジナルの看板メニューはおかげさまで、今では累積3万食を超え、少なくない数の
熱烈なファンの方にも恵まれて支持され、なんとか潰れずにお店を続けられています。
 
また『他にはない、次もまた食べたくなる美味しさです♪』とか
『スパイスパワーで元気になった♪』といったようなお客さんか
らの嬉しい声も多々戴くこともあり、その度に自分とスタッフを含むこのお店の存在が、
誰かのお役に立てている、そして微力ながら世の中のお役にも立てているのではないかと
いう実感を噛みしめています♪
 
そしてその喜びがまた自分たちのパワーとなって明日からの活力に繋がる為、さらに
もっと美味しさとサービスのクオリティを上げて、今以上にもっと多くのお客さんに
喜んでもらえる、そんなよりよいお店にこれからも進化させていきたいと心から願っています!
 
 
町田の端っこ、駅からも遠い辺ぴな場所にある、家族だけで細々と営んでいる
小さな小さなお店で、カレーを作ること以外に他にたいしたことは出来ませんが、
スパイスのパワーで皆さんを健康で元気にする料理をこれからも地道に
コツコツと作り続けていきますので、今後も温かく見守って頂けるとありがたいです(^^♪
よろしくお願いいたします。
 
 
追伸・・・
 
昨年の2017年9月に最初の投稿をしてから、今回の最終話まで約10ヶ月も要してしまいました。
自分でも呆れるほどの超遅筆で、お恥ずかしい限りなのですが、
こんな自分の駄文に長らくお付き合い頂きまして本当にありがとうございました!
 
じつはこのストーリーは実話ゆえにその当時の自分のツライ心情やキツかった状況を想い出しながら文字にして世間に晒すものでもあったので、気恥ずかしさもあって途中何度も書くのを止めようと思ったこともあったのですが、毎回読んでくれている方々からの『面白い!』『次も楽しみにしてます!』といった温かいコメントに支えられて、なんとか無事に走り切ることができました!
あらためて皆さんに御礼を申し上げます!!
 
もうこんな長文のシリーズものを書くことはたぶん無くって、あっても短めのエッセイ的
なものをちょこっと書くことぐらいだと思うのですが、もし今後そんなものを見かけたら
さすがに無視はちょっとへこむので(笑)
サラッと斜め読みぐらいしてもらえると嬉しいです(^^♪
 
 
以上、
最後に炒める第3のカレー★マウンテン
店主の西森でした~(^^)/
 
 
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
最後に炒める第3のカレー★マウンテン
OPEN :
LUNCH 11:00~14:30(L.O.14:00)
DINNER 17:30~21:00(L.O.20:30)
定休日: 木曜/第2・第4水曜日
駐車場有3台
 
※アクセス方法はこちらをご覧下さい↓
http://maunten.jp/access.html
 
〒195-0056
東京都町田市広袴3-1-16  
TEL: 042-719-0947
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町田 最後に炒める第3のカレー★マウンテン

業種 スパイスカレー
電話 042-719-0947
住所 〒195-0056 東京都町田市広袴3-1-16
営業時間 11:00~14:30(LO14:00) 17:30~21:00(LO20:30)
定休日 毎週木曜日/第2・第4水曜日
アクセス 鶴川駅よりバス7分・徒歩20分
駐車場 アリ 3台
カード -
席数 32席
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