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七国山のふるさと農具館で「なたね油搾り」を見学してきました!

まちベジ特集 なたね油搾り
町田の皆さん!ここがどこだかお分かりいただけますかー!?あたしは今、七国山のふるさと農具館に来ています!『となりのトトロ』に出てくる七国山(しちこくやま)ではありません!ここは七国山(ななくにやま)です!そうですね、解説のともかさん!
え?なに、突然どうしたの?
あたりには香ばしい匂いが立ち込めています!危ない!これは危ない!お腹を空かせた人がクラッときてしまいそうな危険な匂いです!!しかし我々取材班の手元にはマスクがありません。このまま進むしかないということですね、解説のともかさん!
いや、これ“なたね油”の匂いでしょ・・・
たけのこ
おおーーっと!これはッ!巨大タケノコだッ!!さらには大、中、小・・・様々なタケノコが我々の行く手を阻んでいます!さっそく成敗して、ありがたく今夜のオカズにします!そうですね、解説の――
意味不明な実況やめーーーい!!
えー。ともかってばノリ悪いなー。ヒマだから少しでも盛り上げようとしてあげてるのにさー。
そういうの要らないから!今日の目的は「なたね油搾り」の見学なの。『まち☆ベジ』取材班として来てるんだから、真面目にやってよ!
はいはい。あ・・・ここじゃない?ほら、看板に書いてあるよ。
なたね油搾り見学会場
ほんとだ!では、改めまして・・・
記念すべき『まち☆ベジ』特集記事の第1弾は、“なたね油搾り見学”です! 七国山のふるさと農具館では、毎月1回、なたね油搾りの実演および販売をしています!
なたね油って、なんだろう??
たのもーーー!
いらっしゃいませ、お待ちしておりました。
『まち☆ベジ』の取材で、なたね油搾りの見学にきました。今日は宜しくお願いします。
こちらこそ!ではこのスリッパに履き替えて、中へどうぞ。
で、さっそくなんだけど“なたね油”って何?
姉さん、そこから!?
なたね油は、食用あるいは食品加工用に使われる油です。皆さんが普段口にしているサラダ油の元になっている場合もありますね。
ちなみに原料はセイヨウアブラナ。つまり、菜の花だよ。
えっ、菜の花!?
菜の花畑
正確に言うと、菜の花の“タネ”が原料なんです。
ここでは原料に使う菜の花の栽培からやってるんですよね?
解説ボード
ええ、そうです。このボードで解説しましょう。
ぜひお願いします。
七国山では、なたね油の原料にするために菜の花を育てて収穫しています。ただ、適当に育てたのでは良質な油を採ることができないので、苗床で菜の花をある程度成長させてから、広い畑へ1本1本手作業で植え替えています。
えっ、この時代にまさかの手作業!?自動植え替え機とか・・・そーゆー便利マシンはないの?
苗の植え替えは手作業でしかできないんですよ。学校の校庭くらいの広さの畑へ、等間隔に、丁寧に、約15名のスタッフで3日間程かけて行います。
大変な作業ですね。聞いているだけで眩暈がしそう・・・
そして、植え替えた畑がきれいな菜の花畑になるのが、毎年5月から6月くらい。今年は寒かったから成長が遅いものもありますが、そろそろ見ごろですね。
菜の花畑2
おー!びゅーてぃほー!!
この花が枯れて、種の“さや”が茶色くなったら収穫です。一つのさやから10~15粒の種が取れます。
もしかして・・・そのさやから種を取り出すのも手作業なんですか?
そうです。昔ながらの“くるり棒”というこん棒のような道具で収穫したさやを叩き、種を出していきます。
“くるり棒”なんて可愛らしい名前に反して、“叩く”って乱暴な使い方がウケる(笑)てか、どんだけ手間がかかるの!?
まだまだ序の口ですよ。ここから油にするには、さらに手間がかかります。
マジで!?油を搾るところを早く見たいー!
採れた種は、天気のいい日に“天日干し”をします。この時、雨にあたるとあっという間に芽が出てしまうので、注意が必要です。
雨が天敵だなんて、梅干しを作るときと一緒ですね。
そうですね。そしてしっかりと干された種は、貯蔵庫で油になる時を待ちます。
よし!やっと油搾りの見学ができそうだー!オラ、わくわくすっぞ!!
解説ボード2
その前に、このボードで解説しましょう。
ズコーーーーーッ!!
姉さん失礼でしょ!取材なんだから、ちゃんと説明を聞かないと!
ははは。まあ、話だけでは退屈するのも分かりますし・・・ではここからは、実演しながら説明していきましょう。
よっ!待ってました!!
なたね油搾り実演、はじめ!
作業場
ここが、なたね油を搾る作業場になります。工程は大きく分けて4つ。「炒る→つぶす→蒸す→搾る」です。まずは「炒る」から見ていきましょう。
菜種
すっごい量の種!
ここでの実演は、1日に3回。そのうちの1回でこの量を使います。これで約15キロ。これを“焙烙(ほうろく)”と呼ばれる鍋で炒ります。
これは・・・土鍋ですか?
そうです。素焼きの土鍋で、底が平たく浅いのが特徴です。熱が柔らかく届くため、なたねだけでなく、ゴマやお茶などを炒るのにも適しています。
土鍋
炒める時間は約1時間。出すタイミングをほんの少し間違えるだけで種の中が焦げてしまいますから、熟練の勘が必要になりますね。
クンクン・・・クンクンクン。
何やってるの、姉さん?
謎はすべて解けた!さっきの香ばしい匂いの正体はこれだーっ!
正体も何も、「なたね油の匂いでしょ」って、わたし言ったよね!?
そうだっけ?ハテ?
このいい香りは、なたね油の特徴の一つです。さて、それでは次の工程の「つぶす」を見てみましょう。
菜種をつぶす工程
撮影協力:川崎市 河野さん
破裂する寸前まで炒ったなたねを、このローラーに入れてすりつぶします。
ここでやっと専用マシンの登場か・・・
すり潰した菜種
すりつぶした中身はこんな感じになります。
綺麗な黄金色ですね!
ちなみに、この「つぶす」作業以降はスピード勝負です。というわけでさっそく、次の工程「蒸す」に移動しましょう。
蒸し工程
まだこれが油になるって感じはしないね・・・
蒸している間に、少しだけこの後のお話をしておきますね。蒸したなたねは、“マット”と呼ばれるこの縄で編んだような筒の中に入れます。このマット、昔はなんと人毛で作られていたのだそうです。
じんもー??
人毛って・・・人の髪の毛ですか!?
ええ。それが一番なたね油を搾るのに適していると信じられていたそうなんです。
マジでっ!?な、なんか怖いっていうか・・・気持ち悪いわっ!!!
今は違うから大丈夫ですよ。ちなみに今使っているこのマットは、日本でただ1軒、京都の職人さんの所でしか作っていない貴重なものなんです。
じゃあ、そこが作らなくなったら再び人毛へ逆戻り・・・?
いえいえ。さすがに今では、衛生上ありえないですよ。誰か、職人さんの技を継承してくれるといいのですが。
古き良き伝統の技が、こういうところでも活かされてるんですね。
マットの中に押し込み
さて・・・ここからが、なたね油搾りの一番の見どころです。蒸し上がったなたねを、じょうごを使ってマットの中に押し込みます。
そんなにグイグイ押し込んでいいの??
ええ、見た目以上に力がいる仕事なんです。そして、マットの中のなたねが均等になるように押し込む作業を続けます。
終わったら、次はいよいよ「搾る」ですか?
その通りです。準備ができたら、向こうにある圧搾機を使って、圧力をかけて搾ります。
圧搾機で油を絞る
おおおおお!搾れてる搾れてる!キレイだねーーっ!
今はこの圧搾機を使うことで最後の最後まで搾り切って、約5リットルの油を採ることができます。でも昔はこれも手作業で、井戸の手押しポンプのようなものをキコキコして搾っていたんですよ。
もしかして、あれですか?
井戸のような手押しポンプ
うわ、本当に井戸みたい!
そうです。これだと搾った油は床の下に落ちます。搾るのも大変だし、搾った油を取り出すのも大変だったんです。
なたね油って、できるまで本当に手間がかかるんですね。
そうですね。手間はかかりますが、きっちり搾られたなたね油のかすは、肥料にもなるんですよ。エコで良いと思いませんか?
菜の花スバラシイ!捨てるとこナシって事だね!
搾られた菜種油
あとは、圧搾が終わるまでこのまま待ちます。これでなたね油搾り見学は終了になりますが、何か質問はありますか?
はいはいはーい!この油って、今日持って帰ることできる?
見学したらとても興味が湧いて、ぜひこの油を使ったお料理を食べてみたいです!
残念ながら、搾りたての油には不純物が混ざっているんです。1ヶ月ほど寝かせて不純物を沈殿させ、上澄みを漉してようやく製品になります。
じゃあ、今日搾った油は購入できないんですね。
ん?ということは・・・先月搾った分は、今日売りに出されてるの?
はい。今日、この実演が始まる前に、1か月前に搾ったものを瓶詰めしました。それは、既にふるさと農具館で販売されておりまして・・・
菜種油販売
え?ちょっと待ってください。これ、「見本」って書かれてますけど・・・
もしや・・・まさかの・・・
すいません。もう売り切れております。
なんてオチだーーーーーーーーー!
みんな~、晩御飯できたわよぉ~♪
ん?どっかで嗅いだこの香り・・・クンクンクン・・・
じゃ~ん!今日は天ぷらよ~。
の、のどか姉さん・・・!
そ、その、黄金色に輝く油は・・・!
これ~?七国山のなたね油よ。美味しくてヘルシーだって聞いたから、朝買ってきたの~。こんがり良い色に揚がって、香りもいいでしょ~♪
お姉ちゃんさすがだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!
もう完全に諦めてたのに、まさか家にあるなんて!!のどか姉さん・・・ありがとう!!!
えぇ~?二人とも、どうして泣いてるのぉ~??
※最後に“なたね油”の使い方を解説しよう!
てんぷらや炒め物に適しており、なたね油を使うと発色と香りの良い料理になるのである!そのままでの使用ももちろん可能だが、なたね油はとても香りが濃いので、サラダ油とブレンドして使うのもあり!また、オリーブオイルのようにパンを浸して食べるのも美味しいのである!
【なたね油実演・販売】
場所:ふるさと農具館 〒195-0063町田市野津田町2288
電話:042-736-8380
アクセス:町田駅(POPビル先)から本町田経由野津田車庫行き、または本町田経由鶴川駅行きバスで「薬師ケ丘」下車 徒歩約7分。
開催時刻:毎月1回 11:00~14:00
開催日程:広報まちだ、または直接ご連絡ください。
販売:ふるさと農具館にて 255gビン 1本700円(数量限定) 販売開始は9:30~
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暮

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