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まち☆ベジの新規生産者に話を聞いてみました!

2021.10.15 投稿
はるか
農家というと代々続いている印象ですが、新規就農者と呼ばれる新しく農業を始められる方もいます。耳慣れない言葉ですが、就職と同じように就農と考えると納得です。今回は年齢もキャリアも異なる町田の新規就農者お二人を紹介します。


高校時代から農業一直線:佐藤嗣高(さとうつぐたか)さん

お一人目は佐藤農場の佐藤さんです。30歳と「まち☆ベジ」の農家さんの中ではかなりお若い方です。子どもの頃から真剣にサッカーと向き合い、社会人まで続けられていたそうです。
農業に興味をもたれたのはいつ頃だったんですか?

高校時代だったと思います。世田谷生まれということもあり、自然に憧れがあったのかもしれません。まわりに独立している人が多く、自分で事業をすることを考えるのも自然でした。

そんなにお若い時から考えられていたんですね。高校を出てからすぐに農業の道に入られたんですか?

直接農業をしたわけではありませんが、高校を卒業してから農大へ入りました。農大では農業経済という分野を勉強し、その後は農業関係の出版社に入社しました。営業として全国3000件の農家の方を訪問しお話を伺うことができました。

農業経済も難しそうですね。それ以上に営業で3000件とはすごい数ですね。何年くらいで訪問されたんですか?

在籍していた3年です。

3年で3000件ということは、1年で1000件、休みなくでも1日3件以上・・・大忙しの毎日だったんでしょうね。3年で退職されたんですか?

はい。元々数年で辞めて農家をやろうと思っていたので。辞めてからは出版社時代の繋がりで、北から南までいくつもの農家さんで研修をさせてもらいました。中でも大分県の研修ではかなり多くのことを教わりました。町田ではあした農場さん(記事は⇒こちら )でも勉強しながらお手伝いさせてもらいました。

出版社での経験が活きていらっしゃるんですね。町田で農業を始められたきっかけはなんでしょうか?

1年かけて全国の農家さんで研修をさせていただいた後、農作物を用いた自営の形を考え、キッチンカーで焼き芋の屋台を始めたんです。キッチンカーが軌道に乗り、本格的に農地を探しはじめました。農地を探すなら先祖の縁があり研修でもお世話になった大分県か、キッチンカーの活動をしていた町田でと思っていたんです。そのタイミングでコロナの影響が出てきました。キッチンカーが出るイベントなどが軒並み中止になり、生活費などを考えると大分県かなと思っていたところで市内の三輪町の畑を紹介してもらい、町田で農業を始めることができました。

コロナの影響というと昨年でしょうか?

そうです。2020年4月から畑を借りています。

本当にいいタイミングだったんですね。今日お邪魔したのは三輪ではありませんが、現在はどのくらいの畑で農業をされていらっしゃるんですか?

徐々に増えて現在は5箇所の畑と作業場1箇所ですね。

すごい増えていらっしゃいますね。どのようなものをつくられているんですか?

現在はキッチンカーで売る焼き芋用のサツマイモと、野菜を作っています。

お野菜は年間どのくらいの種類をつくられているんでしょうか?

そうですね・・・60~80種類くらいになると思います。

たくさんの種類があるんですね。どのようなお野菜をつくられているんですか?

定番のものはもちろんですが、少し変わったものも作るようにしています。例えば四葉(すうよう)きゅうりという、少し棘があって大きめのものを作っています。

他にも魅力的なお野菜がたくさんありそうですね。お野菜はどうやったら入手できるんでしょうか?

お客様に直接お届けしている野菜セットが中心です。こちらは定期便が基本となります。それ以外ですと、「町田薬師池公園 四季彩の杜 西園」(公式サイトは⇒こちら)では不定期に販売しています。

今度買いに伺いますね。これからのこと、農業への想いなどがあれば教えていただけますか?

この土地で農業をやってきた方達の想いを繋げていくことが役割だと思っています。自分たちも生活をしながら、次の世代に少しでも良い状況にして繋げていきたいです。

いい状態でつなげていくことは、地域だけでなく地球の未来にとっても大切なことですね。あした農場の渡邊さんも同じことをおっしゃっていました。農家の方は自然が相手のお仕事ということもあり、循環について考えられている方が多いように思います。私たちも考えていかないといけませんね。今日はお話をありがとうございました。これからも美味しい野菜を楽しみにしています。

ありがとうございました。これから焼き芋のシーズンになりますので、見かけたらぜひ食べてみてください。美味しいですよ!



佐藤さんはサッカーではディフェンダー(守備中心の役割)だったそうです。農家として独立されるまでに着実にキャリアを積み上げられてきたお話を伺って、堅実なところがディフェンダーっぽいかもと思いました。こじつけかもしれませんが・・・(笑)
涼しくなってきましたし、今度は『まちだけ。』姉妹みんなで焼き芋を食べに伺います。



さまざまな職種を経て辿り着いたのが農業だった:杉本英則(すぎもとひでのり)さん


お二人目は、大学をでてからSE、クリーニング業、さらには土地関係のお仕事とさまざまな職種を経験された後、農家になられた杉本さんです。
たくさんのキャリアの中では独立を考えられたお仕事もあったそうですが、なぜ農家をやろうと思われたんですか?

いろいろな仕事をする中で、言われたことや依頼をこなしていくだけの仕事に違和感を感じていたんです。実家も商売をしていて、常に自分たちで考え動く姿をみていたからかもしれません。自分で作ったものを自分で販売する、全てに関われる農業に魅力を感じました。

なるほど、自分で全てに関われることが魅力だったんですね。農家として独立されるまではどのような取り組みをされてきたんですか?

まずは、東京で新規就農者の取り組みを応援している団体「東京ネオファーマーズ」(公式サイトは⇒こちら )の方にお世話になり、個人の農家さんのもとで研修を1年半しました。最初は農地がなかなか見つからなかったのですが、なんとか町田で借りることができました。

町田にはどんなご縁があったんですか?

実家が成瀬で、町田で生まれ育ちました。

そうなんですね。地元が町田というと私たちと一緒ですね。畑はどのくらい借りられているんですか?

現在は3箇所3500平米で行っています。今年また新しく借りた土地があり、そこの開墾をしている途中なんです。

開墾というととても大変そうに聞こえます。どんなことをされるんですか?

今回お借りした場所は木があり、まだ畑にできないので伐採作業が主になります。

畑にするところから始められるんですね。畑では、どんな野菜を作られていらっしゃるんですか?

そうですね、 夏野菜ですとナスを何種類か作っています。きゅうりやズッキーニなどもあります。年間を通すと少量多品目で30~40種類ほどになります。

そちらに実っている長いナスは昨年、西園の取材に行った時に拝見しました。たしか、ヘビナスっていうんですよね?(Twitterは⇒こちら

よくご存じですね!そうなんです。僕も西園にも出荷していますよ。

あ、遡ってみたら杉本さんのヘビナス、購入していました。珍しいだけでなくとってもおいしかったです。

それは嬉しいです。ありがとうございます!

西園以外では、どちらで野菜を入手できますか?

町田だと西園の他に、多摩境にある「カインズホーム」、成瀬にある「やさいのナイトウ」さんなどに不定期ですが出荷しています。あとは渋谷区にある「青山ファーマーズマーケット」に出店されているお店に出すときもありますね。

様々な場所で販売されていらっしゃいますが、宅配などの直売はされていらっしゃいますか?

直売はしていないんです。他には学校給食で野菜を使ってもらっています。

町田の学校ですか?

はい。母校をはじめとした数校に出荷しています。給食は量も必要なので大変ですが、子どもたちや地域の役に立っていると思うとやりがいがあります。

町田の子ども達の健康面を支えているのはすごいことだと思います。

この写真は学校で自分が作った大きなブロッコリーを紹介してもらった誌面なんです。とても嬉しかったです!



本当に大きなブロッコリーですね。子ども達も食べているものがこの大きさだったと知って驚いたことでしょう。今後の目標や想いなどがあれば教えていただけますか?

今後は野菜を作ること、販売することのバランスを取りながら経営の安定を進めていきたいと思っています。また町田の農業を知らない方に興味を持ってもらって楽しめるような体験やイベントなど、野菜で役に立てることをしていきたいと思っています。

素晴らしい取り組みになりそうですね。イベントなどをされる時には教えてください。今日は本当にありがとうございました。



昨年動画での取材時に購入したヘビナスの生産者さんが杉本さんで、びっくりしました。今回畑にお邪魔した時は、ヘビナスの他にもとろーり旨ナスという面白い名前の白いナスなど数種類のナスがありました。いただきましたがとてもおいしかったです。給食のお野菜も、これからもがんばって作って欲しいと思いました。ほのかが食べることもあるかもしれないのでよくチェックしたいと思います。


それぞれ年齢やバックボーンも取り組み方も違う、お二人の新規就農者のお話を伺いました。周りの親族の中に商売をされていたり、独立されている方が多いという共通点があったことは興味深かったです。子どもの頃から知らず知らずのうちに独立を目指す気持ちがあったのかなと思いました。

これからも「まち☆ベジ」の未来のためにがんばって欲しいです。私たちも食べて応援していきましょう。
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